「日下」の地名
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■ 日下(くさか)の地名

日下と言う地名は、大阪府、鳥取県、島根県、高知県などに見られる。日下は古代の伝説にもとづいて当てられた字。東大阪市の北東部に日下町がある。古くは「草香」と書いたが、七世紀末頃から「草香」の表記が「日下」に代わった。その伝説は長くなるから略すが、簡単に言うと「神武天皇が、日の下で作戦を考えたのが草香だ」による。

そして允恭(いんぎょう)天皇の皇子の大草香皇子(おおくさかのみこ)が河内国草香に宮を構えた。そのため、全国にまたがる皇子の領地に「くさか」の名前がつけられた。

・ 日下(くさか): 大阪府東大阪市日下町

■ 「日下」は「クサカ」と読む【出典】

・ 茨城県の「草」地名 茨城県久慈郡大子町周辺には「草」のついた地名が多く見られる。

代表例: 茨城県久慈郡大子町下野宮字桐ノ草。

この「草」は何を意味するか?

・ 道の駅みわ(旧茨城県美和町・現常陸大宮市)の通路の壁にある掲示板には、当地の方言の一つとして「コサ(日陰地)」というのがある。「コサ」と「クサ」は、音が近くこの程度の「音の交替」はよく見られる。「例:当地の方言で暦(コヨミ)をコユミという」。したがって、「クサ」は「コサ(日陰地)」のことではないだろうか。当地をまわった結果、その「草」集落そのものが日陰地であるか、隣接して日陰地が存在した。

・ 広辞苑によると、コサ(木障)とは、東日本で、木陰のため耕作に不利な田畑地。またはその木や茂み。こせ。とある。

・ カサ(笠、傘)も、コサ、クサと語源が同じと言うより、同一の言葉だった。「カサ」は、雨を防ぐ物ではなく、日差しを遮る(日蔭)ための用具だった。例:英語のアンブレラは「影」、パラソルは「日光を防ぐ」が原義だった。

■ 日下(くさか): 新潟県村上市日下

■ 日下部町(くさかべちょう): 愛知県豊田市日下部町

■ 日下(くさか): 山口県周南市須万(すま)字日下。ここは廃村とのこと。もとの集落もだが、とくにすぐ北側の倉谷川沿いは典型的な日陰地である。【出典】

■ 日下(くさか): 香川県東かがわ市五名(ごみょう)字日下。ここも、川沿いの日陰地。【出典】

■ 日下(くさか): 旧日下村。高知県高岡郡日高村。
・ 日高村の中心地にあたる。昭和29年に、日下村、能津村(のうづむら)、加茂村の一部が合併して日高村になった。周囲は丘陵に囲まれている。【出典】
・ 日下駅(くさかえき): 高知県高岡郡日高村本郷。土讃線。昭和29年(1954年)までは、このあたりは日下村だった。日下(くさか)とは、万葉時代の文章「日下(ひのした)の草加(くさか)」に因む。【出典】

■ 日下も「草」地名の一つ【出典】

・ 「日下」を「クサカ」と読むのは、すでに「古事記」にもみられる。日下氏は大阪府東大阪市日下町を本願とする。日本書紀では、当地を「草香(くさか)」や「孔舎衙(くさか)」とある。現在の東大阪市日下町も日陰地で、他の「クサカ」地名にも、日当たりのよくない土地が多い。そうならば、「日下」は「日の下(真下)」のことではなく「日が(山の向こうに)下がっている」の意味をこめた漢字だといえる。

■ 各地の「クサカ」と「クサキ」の地名【出典】

・ 東大阪市日下町が日陰地だからといって、すべての「クサカ」地名が「日陰地」とは断定できない。
それを踏まえて、他の「クサカ」と類似地名の「クサキ」をみてみたい。

・ 筒井功さんの見解では、クサキの「キ」は、墓域を意味する奥津城(おくつき)の「キ」や、古代の中央の政権が対蝦夷用に新潟県と東北地方においた軍事・行政施設の渟足柵(ぬたりのき。現在の新潟市の信濃川の河口あたり)、多賀城(たがのき。宮城県多賀城市)などのキ(柵、城の字を当てている)と同じ言葉だと思う。つまり、「クサキ」の「キ」は、ある構造物で囲まれた一定の地域、範囲またはその構造物と定義できる。そうであれば、「クサキ」は、「クサ(日蔭の一因となる山)に囲まれた地域や範囲の意味になる。

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